《櫻木リト 経歴》
・2014年 花とゆめ第469回HMC9位受賞
・2017年 LaLa第76回LMG一次審査通過
・2021年個展「Gentle world」、2022年個展「さくらいろ」をギャラリーIYNで開催
・2022年10月コミティア142、2023年5月コミティア144参加
・2023年1月~3月自主連載し完結。 現在X(Twitter)で修正版の自主連載を来年春に向けて準備中。
石川県出身の漫画家、櫻木リト。
少女漫画テイストの中に、優しさと温かさが溶け込んだ作品が特徴だ。
その背後にある彼女の漫画へ込めた想いとは、いったい何だろうか?
物心ついたときから絵を描いていた櫻木は、
小学生の頃から既に「漫画家になる」という夢を抱いていた。
引っ込み思案で大人しく、口下手な性格だった彼女は友達が少なく、いじめを受けていた。
当時は、心の逃げ場として、オリジナル漫画を描いていたという。
誰に見せることもなく、ただただ描くのが楽しかったようだ。
高校では美術部に入り、初めて絵を描く仲間ができた。
今までは自己満足として描いていた漫画だったが、美術部の仲間に見せるようになったことで、「自分の漫画を読んでもらう」喜びに触れたという。
漫画家としてのスキルを磨こうと、専門学校への進学を決意するが、
そこでの日々は思った以上に厳しかった。
レベルの高いクラスメイト、追いつかない差。
商業誌で連載するための合理的な授業と、鋭い批評、矯正されていく作品。
いつしか漫画を描く楽しさよりも、漫画を描き続ける辛さが勝るようになる。
「漫画を描くことをやめようと思った」と櫻木は語る。
しかし、彼女はペンを置くことを選ばなかった。
「誰かを笑顔にさせ、癒したい」
その気持ちから、櫻木は漫画を描き続けるのだった。
専門学校を卒業した後は、仕事をしながら細々と漫画を描いていたが、
昨年10月に以前から見かけていた漫画オンラインスクールへの参加を決断。
専門学校での合理的な教えに対して、
オンラインスクールは「描きたいもの」を中心に据えたアプローチであった。
この学びを通じて、櫻木は漫画を再び心から楽しむことができるようになった。
昨年11月からはコミティアにも参加し、
卒業制作としての自主連載漫画を今年3月に完結。現在は続編を構想中だ。
櫻木が漫画を描き始めた理由の一つは、いじめからの逃避だった。
しかし、挫折した櫻木に描き続ける力を与えたのは、
かつての自分のような人に笑顔になってほしい、癒したいという想いだった。
自分自身が楽しんで漫画を描くこと、そして読者をその世界に招待すること。
それが彼女の漫画創作の核心である。
悩みながらも歩き続けてきた櫻木の、新たな一歩を見届けたいと強く思う。
(執筆者: 守屋 )
櫻木リト 個展
会期:2024年8月16日(金)~8月25日(日)
営業時間11:00~18:00
会場:Gallery IYN
大阪市北区中崎西1-8-24 アインズビル梅田101
櫻木リト twitter (X) アカウントはこちら→@sakuragirito123
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