すたはぴ in 個性について考える2025
会期:2025年2月27日(木)~3月2日(日)
会場:Gallery IYN
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中学生の頃から描き始めた女の子のイラストや、多摩美術大学の受験課題に取り組んでいた際に余った絵具でふと描いてみて生まれたオリジナルキャラクター“キツネさん”たち。
それから、情報デザイン学科メディア芸術コースの卒業制作展で披露して以来、折に触れて取っているカラスの写真と、その他の動物を撮影した写真を参考に描いた写実的な動物画作品・・・
その他にも、学生時代からレジンや毛糸で作ったアクセサリーなどをフリーマーケットで販売するなど、すたはぴ が手がける創作物の幅は非常に広い。
色鉛筆に透明水彩、アクリル絵の具、デジタル技法を用いることもあれば立体造形に取り組むこともあり、気になる手法があれば迷わず挑戦し、そうして増えた手法の引き出しから、その時々の心情に応じたものを取り出していく。
そうしたスタイルで描かれた他種多様な作品を前にして、鑑賞者が驚くことも多いのだそう。
Q1.あなたの作風において、個性的だとご自身が感じておられる点、または鑑賞者の方から個性的と評価される点について教えて下さい。
すたはぴ:イベントなどの出展時に全部1人の作品なの!?とお声がけいただくことがあります。好きを端からやっていたら色々なジャンルの色々な作風になってしまっていてどれがメインなんですか?と言われると少し困るところもあり、個として答えるのは難しいですが逆にとっ散らかってるのも個性か。と最近は納得してその時々楽しいことをやっています。今後もどれか一つに絞るつもりはなく全部楽しく続ける予定です。
社会人になってからは仕事が多忙を極め、絵に向かう時間を全く持てない時期もあったが、コロナ禍による緊急事態宣言で突如生まれた休業期間に、すたはぴ は絵を描く楽しみを再確認し、その折に写真をもとにアクリル絵具で動物画を描くようになったそう。
その新しい創作スタイルは、卒業後も続けていた写真作品を、ただ撮影するだけで完了とするのではなく、もっと他の表現に繋げられないものか、絵に置き換えてみたら面白いのではないかという思い付きから始まった。
写真作品としては失敗してしまったものも絵で蘇らせられないか、失敗と感じた点を効果的に活かす描画方法はないかと、現在も模索中であるという。
その後、転職をして時間に余裕が出来るようになり、創作に打ち込むことの出来る余暇は、自分が間違いなく”生きている”という実感を持てるひとときであると、すたはぴ は語る。
画面の中でキツネさん達と戯れる際には、元気いっぱいの彼等に「様々なものを見せてあげたい」という思いから様々なシチュエーションを演出し、女の子を描く際にはキラキラとした可愛いものをモチーフとして添えたり、逆に淡く儚いイメージを前面に押し出してみたり・・・
カラスを撮影する時は、彼等のお茶目で美しくてかっこいい様子をレンズに収めたいと考えており、多くの人にとって身近な鳥でありながらあまりじっくりと観察されることの少ない彼等の、実は魅力に溢れている自然な姿を沢山集めるべくシャッターを切っている。
それぞれの表現方法を今後も深めていくだけでなく、更に新しいスタイルが生まれる可能性もあり、数年後、数十年後の すたはぴ は、その世界観を今以上に大きく豊かに広げていることだろう。
Q2.これまで、どんなアーティストを目指して創作をして来られましたか。また、表現者として今後叶えたい夢や、近づきたい理想像について教えて下さい。
すたはぴ:まだあれもこれもやってみたい!の途中なので色々試しつつ自分の好きを最大限詰め込める方法を追求していきたいと思います。
自分らしさとは何かという答えを探す旅路の、道半ばであるからこそ示すことのできる“今この瞬間にしかない自分”の全てを、「個性について考える」展で披露したいと すたはぴは考えている。
迷いつつ歩みを進めてきた中で、手にすることが出来た掛け替えのない宝物の数々を一堂に集めることが出来れば・・・展示に向けて、そんな風に話してくれた。
いずれの作品も、すたはぴ は下描きと仕上げの段階において「完成」と決める前に、少し間を置くようにしているらしい。
一旦頭をリセットした上で、「本当に、これで完成で良いのだろうか?」と複数回見直してみる。
加筆すべき点はないか、改良点はないかと熟考を重ねて描かれた力作たちを、是非とも会場で直に御覧頂きたい。
自分らしく、楽しく、好きなことを心の赴くままに・・・これからも自分の道を歩み続ける すたはぴ へ、取材の最後に次のような質問を投げかけてみた。
Q3.生まれ育った土地柄や環境があなたに与えている影響と、いま故郷について感じていることを教えて下さい。
すたはぴ:理科の教師の父と道端の猫に話しかけるタイプの母の間に育ち家では動物や自然環境系のテレビ番組などが流れていたこともあってか動植物が好きでそれらがモチーフなことが多いのかもしれませんね。
(取材/執筆:大石)
すたはぴの作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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