オリド マキ in 個性について考える2025
会期:2025年2月27日(木)~3月2日(日)
会場:Gallery IYN
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イラストレーターとして活動を始めてから、約四半世紀。
オリド マキは雑誌や語学教材の挿絵を中心に、依頼主の要望に応じて様々な作品を提供し続けている。
初めの10年程は、それこそ頼まれた仕事を熟すことだけで精一杯。
だが、次第に彼女は「自分の描きたいものは何であるのか、自分にしかない強みと呼べるものはあるだろうか」と考えるようになる。
相手の望みの通りの絵が描けること・・・それはプロとしての必要条件ではあるが、唯それだけであるならば、自分以外のイラストレーターに頼んでも同じだと感じられてしまうのではないか。
自分にしかない“個性”を見失ってしまっては、どんなに技術を磨いたところで、いずれ仕事は入らなくなってしまうだろう。
そう気付いた彼女は、己の心を見つめ直すべく自主制作イラストに取り組み始め、胸の内に積み重なった様々な感情・思い出を絵で表現するに至ったのだった。
Q1.あなたの作風において、個性的だとご自身が感じておられる点、または鑑賞者の方から個性的と評価される点について教えて下さい。
オリド マキ:強さやしなやかさ、人が積み重ねてきた見えないものを表現する様に心がけています。
また、見て下さる方からも、柔らかい雰囲気だけでなく、その中にある強さを感じると言われる事が多いです。
オリドが作品制作にあたって念頭に置いているのは、「心の中にある闇や暗い側面を捉えるのではなく、闇を通った先にある明るさや強さを表現する」ということ。
そのコンセプトは、丁度10年前に潰瘍性大腸炎を発症し、苦しい闘病生活の果てに、自らの呪縛を解くことができた体験から生まれた。
病床に臥した彼女の耳には、「役立たず」と病気になってしまった自らを責める心の声がずっとこだましていたという。
「こんなに辛い状況下にあって、なんだって私は、自分をこんなにもいじめるのだろう」
思い返してみれば、病になる以前から必要以上に自分を責めることが癖になってしまっていた。
それが長年積み重なってしまったことも、病因のひとつではなかったか。
自分を認めてあげること、大切にしてあげること・・・それが出来なければ、病が癒えても、いずれまた倒れてしまうに違いない。
この時の気付きがなければ、彼女はいつまでも自分を苛み続け、心をひたすら擦り減らしながら生きていただろう。
オリドが描かんとするのは、苦難を乗り越えて、しなやかな強さを手に入れた女性たち。
彼女等は自らの殻を突き破った現在のオリドの姿であるとも言えるだろうし、また彼女が「こう在りたい」と願う憧れでもある。
過去の苦しみ、流した涙の数々は、彼女等の魅力を際立たせる宝飾品のよう・・・そんな思いからオリドは、色の印象や石言葉も参考にしながら、女性を宝石に擬えた連作を手がけているのだそうだ。
Q2.これまで、どんなアーティストを目指して創作をして来られましたか。また、表現者として今後叶えたい夢や、近づきたい理想像について教えて下さい。
オリド マキ:自分の感じたものをストレートに表現出来るアーティストでありたい。
現在、仕事はほぼデジタルで制作しているので、今後は大きな手描きの作品を発表していきたい。
オリド独自の着彩方法は、一般的なデジタル画表現よりも更に手間がかかっており、気の遠くなるような作業工程の果てに、優しく輝く色彩が生み出されている。
クレヨンやアクリル絵の具で作った沢山の色見本をパソコンに取り込むにあたり、実際の色とデジタル化された色味にズレが生じる為、この段階から調整のための労力を要しているのだが、それらの色を何層にも重ね合わせ、求めていた色になるまで何通りもの組み合わせを試すのだそうだ。
シンプルなアナログ表現であったなら、絵の具を塗り重ねるにも限度があるが、デジタルの力を借りることで、透過調整もしながら、カラーバリエーションを無限に広げることが出来る。
理想の色に到達するためでならば、その労は惜しまない。
「これぞ」と思う色が出来た瞬間の喜びと達成感は、格別であるという。
「個性について考える展」に向けても、貼り箱も用意する予定とのこと。
以前は絵の制作にのみ重点を置いていたのだが、今後はグッズ制作にも力を入れたいと考えているそうで、これからの展開が増々楽しみだ。
取材の最後に、彼女にこんな質問を投げかけてみた。
Q3.生まれ育った土地柄や環境があなたに与えている影響と、いま故郷について感じていることを教えて下さい。
オリド マキ:千葉県の田舎で育ったので、若い時には都会に憧れていました。今は自然があり、無理の無い生活がラクに感じています。
故郷に近いところに住んでいるので、特別思いを馳せるようなことはなく、常に日常にある感覚です。
(取材/執筆:大石)
オリド マキの作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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