- Shi Ma
- 1月30日
- 読了時間: 5分
更新日:2月19日
fukuyuki in 個性について考える2025
会期:2025年2月20日(木)~2月23日(日)
会場:Gallery IYN
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中学生の頃迄はよく漫画を描いて過ごし、美術専科の高校では日本画や陶芸の課題制作に毎日明け暮れていた。
その後は舞台美術に関心を持ち、本腰を入れて学んだ期間もあったが、次第にfukuyukiは「誰かが作った芝居の世界観を演出したいのではなくて、自分自身の心の奥から沸き上がるものを表現したいのだ」と気が付く。
それから、思い浮かんだ模様を自由に画面に描き出すようになり、さながらステンドグラスのように艶やかな彩色を施すという表現スタイルが確立した。
其々に異なる感性を持った人々が、様々に関わり合って生きているこの世界と同じ様に、異なる色が隣り合うことで、互いにその個性を高め合うことが出来る・・・そんな信条から、彼女独自の配色が生まれている。
補色関係にある色は、正と負、陰と陽の関係であるとも言える。
彼女は“色”を用いて、相対するものが常に変動しながら混在して存在している世界の在り様を、絵で描き示しているのだ。
最近は主に動物を主題に選んで制作しているが、模様の中に潜む動物が何であるのかを、鑑賞者に明確に伝えることが創作動機ではないため、自由に解釈をしてほしいとfukuyukiは語る。
1枚の絵を前に、ある人は「オウムの姿だ」と言い、ある人は「猿に見える」と言う。それで良いのだ。
人によって違う感じ方、見え方があるということは、とても素晴らしいことなのだから。
Q1.あなたの作風において、個性的だとご自身が感じておられる点、または鑑賞者の方から個性的と評価される点について教えて下さい。
fukuyuki:平面ではなく、メディウムを使用しキャンバスを盛り上げた上に描く、また多くの色を使用して描いてる点が、個性的だと評価いただいております。

fukuyukiは、現在保育園に通っている我が子やその友人達から、幼子ならではの自由な感性にたくさんの刺激を貰っているのだそう。彼等の描く絵は、大人が描くように作為的でなく、無意識的に心がそのまま表現されている。
知識と経験があるからこそ頭でっかちにもなってしまう大人には、逆立ちしても出来ない芸当だ。とても彼等には敵わない。
けれども出来得る限り、彼等の持つ自由さを目指したいとfukukiは考えている。
なので、制作にあたって念頭に置いているのは“上手く描こうとしない”こと。
線が歪んでしまったり、自分の想定していたイメージから離れてしまっても、それを失敗とは考えず、ただ前進あるのみ。
図案はいつでも一発描きだ。
その代わり、彩色にはたっぷりと時間を描けている。
下地に凹凸がある為、一塗りだけでは塗り残しが出来てしまう。
なので、あらゆる方向から丁寧に絵の具を塗り込んでやる必要があるのだ。
とても一日では終わらない。
「けっこう、面倒な作業です」
しかし、その面倒さが“良い感じ”なのだとか。
手間がかかるからこそ、そのひとときを愛おしめるのかもしれない。
凹凸のない素材に描画していた時期もあったが、今ではそれでは物足りなく感じてしまうそう。
Q2.これまで、どんなアーティストを目指して創作をして来られましたか。また、表現者として今後叶えたい夢や、近づきたい理想像について教えて下さい。
fukuyuki:何かを目指したことはありませんが、自身の中にある想いを絵を描く事で表現、創作してきました。
最近は海外の展示にも、参加するようになりました。日本を飛び出し、広く世界に挑戦して行きたいです。

20代半ばから、fukuyukiはワーキングホリデーや旅行で海外に度々赴き、日本とは異なる生活習慣・価値観・思想に触れるようになった。
広い世界を知ったことで、自ずとパレットに広がる色数も増えたという。
そして、以前よりもずっと鮮やかな色調を好むようになったそう。
何十億人もの沢山の個性溢れる人間の中に、誰とも違う”自分”という存在がある。
自分は自分であって良い。
そう実感できたことは大きな収穫だった。絵を描くという事は、孤独に自分と向き合い続けるということ。
それに耐えうる精神力を自分に与えてくれたのは、異国の土地の人々との交流だったとfukuyukiは考えている。
彼女の視野を広げてくれた最初の土地は、ニューヨークだった。
自分を生まれ変わらせてくれた懐かしいその場所で、いつか個展を開くことが彼女の夢である。
それが実現する頃には、fukuyukiの描き出す世界は更なる広がりを見せ、そして深まっている筈だ。
現在は動物をモチーフにしているが、いずれは人間も描きたいと考えているそうで、表現の可能性は今後もますます膨らんでいくことだろう。
取材の最後に、彼女にこんな質問を投げかけてみた。
Q3.生まれ育った土地柄や環境があなたに与えている影響と、いま故郷について感じていることを教えて下さい。
fukuyuki:日本という他人と違うことが良しとされない、皆同じでなければという教育、文化の中で育ち、ずっと違和感が拭えなかった。しかし、初めて海外に出て、他人と違っても問題ない、むしろそれは当たり前のだという価値観にふれ、現在の画風を確立しました。これは、日本という文化の中で育った上でこそ培われたものなのかもしれません。
(取材/執筆:大石)
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Instagram:@fukuyuki0831
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《 Fukuyuki プロフィール 》
1983年京都生まれ
幼少期より絵を趣味にしていた祖父、父の影響もあり絵を描くことが好きで高校から専門的に学び始める
<展示>
2013年 ”酒肴人びりけん” 大阪
2014年 個展「hana」 Gigantearoom 大阪
2017年 ”猫の時間 アメリカ村店” 大阪
2018年 ”Lion circus” 大阪
2024年 “ART SUMMER FEST” M.A.D.S. Art Gallery Italy
<Works>
2012年 本教寺 本堂襖絵
2015年 Dog salon nino 壁画
2023年 会員制バー”あん”
<公募展>
2012年 日美絵画展 新国立美術館 入選