
「青二才」「青臭い」「青春」のように、若さや未熟さを表す際に用いられることが多々ある青色。
今回の展示も、少年・青年の途上さと輝きを比喩する目的で題しており、全体を通してさわやかに輝くきらめきを持った作品が多数見受けられました。
部活に汗を流す青、友達とよいひと時を過ごす青、誰かに思いを寄せる青、見ているだけで、ないはずの明るい青春時代の記憶が香り、胸が躍るようです。
しかし、青色というのはどこか落ち着いた精神性や知性といった、青臭い輝きとは相反するイメージも併せ持つと感じています。
気分が落ち込んだとき、「ブルーになる」なんて言い方もしますよね。
実際に今回は、愁いを帯びた表情や哀しみを想起させる作品が何点かか並びました。
晴れやかでない時間や、怒りもまた人間の途上にある青春のひとつなのだと、作品を通じて強く感じます。
作品の数だけ青い果実が存在し、それぞれが自身の魅力を強く放つパワフルな展示となりました。
(執筆スタッフ・冨田)
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