Naoko in GIFT2025
会期:2025年5月1日(木)~5月8日(日)
※5(月)6(火)7(水)は中休みです。
会場:Gallery IYN
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花見や紅葉狩りなど、以前から草花を眺めることは好きだったが、被写体として花々を見つめ、カメラを構えるようになってから、Naokoはその神秘的な造形美の素晴らしさに気が付き、深く胸を打たれた。
「もはやこれは、神様にしか作れないデザインだ」と。
それ以来、自身の意図を鑑賞者へ如何に伝えるかという技巧的な考えは廃し、ただ純粋に自分が感動した部分に注目をしてシャッターを切っているという。
花々はその形状によって、一番魅力的に見える角度が自ずと異なる。
その最も心を動かされるポイントを捉えたショットは、まるで一枚の絵画のようである
季節や太陽の位置、天候やその花の咲く地形も鑑みつつ、naokoは午前中の陽光の中が一番花の色を美しく撮影できると感じているそうだ。
また、生命力が最も感じられるタイミングである咲きたての状態を撮ることも拘りのポイントであるという。
Q. 創作コンセプトや創作活動を始めたきっかけや経緯を教えてください。
Naoko:コンセプトは『私が綺麗だと思うモノ』を写真を通して見てくださる方に、『そのまま』届けたい、です。
私は子供の頃から自然の中で生活し、
花や草木の美しさに感激しながら育ちました。また『綺麗なモノ』が大好きで、綺麗な色、お洋服、ジュエリーや素敵な香りなどにとても心躍ります。
創作活動を始めるきっかけは、私の中にある『生きづらさ』に起因します。誰とも繋がれない、共感出来ない、理解されない、それは私にとって、とても恐ろしくて孤独なものでした。そして、4年前、『生きづらさ』が原因で体調も崩した時、花の写真を撮る事によって救われたんです。
花は何も言わずに綺麗にそっと咲いてくれています。ただただ綺麗で癒してくれて、私をジャッジしたり、決して傷つけたりしません。その頃は毎日出掛けては花や草木の写真を撮っていました。
その内、私は花の写真をSNSにアップすりようになりました。初めは私自身が癒されていれば満足だったんですが、その内、SNSに反響が届くようになり、それは私と私の周りの方々とを繋いでくれる『言語』となったんです。そこに長い会話はありませんが、『わたしが綺麗だと思ったモノ』に共感して下さる方がいる。私の表現を通して、私を理解して頂ける。それが私にとって、どれほど嬉しい事だったか。どれほど救われる想いだったか。
それ以来、花や草木の写真を撮ることは、私のライフワークになりました。

当初はリハビリを兼ねた散歩の折に出会う花々を撮影していたが、健康を取り戻すと共にNaokoは、車で県内の花の名所を巡るようになった。
季節ごとに咲き誇る様々な花々の形をもっと見たいという思いが、彼女を駆り立てたのである。
名所探しはSNSや地方紙の情報を頼る他、花を愛する同好の士たちからも沢山のおすすめスポットを教えて貰ったそう。
「牡丹や花菖蒲などは、もっともっと研究したいと思いますし、まだ撮ったことのない花だとネモフィラなどに心惹かれます」
そう語る彼女は、これからも感動と癒しを求めて、花の巡礼を続けて行く。
Q.あなたの作品で、鑑賞者にどんな気持ちをGIFTしたいですか。また展示に向けての意気込みも教えてください。
Naoko:とにかく、癒されて頂きたいです。
元気がでない時やつらい時に、一時でもいいから、見返りを求めない凛とした花の美しさに心奪われて癒されて頂きたいです。
今回は生まれて初めての個展ですので、今、私の中にある、精一杯をお見せ出来たらと思います。また、沢山の方と『言語』で繋がりたいです。

花を見た瞬間に Naokoの心に湧き上がった感動が如何なるものであったのか。それはレンズに収められた花の姿からありありと伝わってくるが、作品につけられたタイトルからも伺うことが出来る。
例えば、まるで見栄を切る歌舞伎役者のような、枝ぶりの良い桜と出会った際は「歌舞伎ざくら」と題した。
また、早春の青々とした空を背景に、真っ白なコブシや白梅、ハナミズキを撮影し「蒼天と潔白」というシリーズにしたこともある。
作品に沿える“言葉”の力も重要であると彼女は考え、Instagramへ投稿する際はタイトル以外にも文章を添えるようにしており、短歌や詩歌の勉強をしながら、言葉選びにも磨きをかけているそうだ。
いずれは、作品と文章を書籍にまとめたいという夢も抱いているという。
「花の写真を通して“表現”をすることで、周囲の方々と自分を結び付けてくれる“言語”を戴けたと思っています」と、Naokoは語る。
そして其の言語はSNSを介して人々の目に触れ、また展示の機会も得たことで、一方通行から確かなコミュニケーションへと形を変えていった。
“まるで地球に受け入れて貰えたような” そんな喜びと感慨を噛みしめながら、改めて創作に情熱を注がんとしている彼女へ、取材の最後に敢えて次のような質問を投げかけてみた。
Q現代社会に欠落していると感じる事や、自分自身の体験等から欠落していると感じる事を聞かせて下さい。
Naoko:『生きづらさを感じている方々がいる』こと自体が現代社会の欠落だと思います。
みんなと同じにしなければないない、普通の枠からはみ出ちゃいけない呪縛が存在すること。自分以外の方々はみんな違うんだということを想像する力、それを許容する力が必要だと思います。
(取材/執筆:大石)
Naokoの作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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instagram: @naokonakahata
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