ミヤハラ トモヤ in GIFT2025
会期：2025年1月30日（木）～2月2日（日）
会場 Gallery IYN
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小さい頃から絵を描くことは好きだったが、当時のミヤハラトモヤが好んでいた画題は現在のように動物ではなく、好きな漫画やアニメのキャラクターだった。
中高生になると教室風景、クラスメイトの姿などをスケッチして過ごしていたが、真剣に絵に向き合うようになったのはここ3、4年程の間であるという。20代の後半に差し迫り、「何か形に残るものを自らの手で生み出したい」という思いが強くなったのだそう。
創作の相棒としてミヤハラが選んだのはアクリル絵の具。
何よりも彼を惹きつけたのは、その鮮やかな発色だった。
この“色”によってあらゆる思いを表現したいと考え、しかし色面構成だけでは伝えきれないものもあり、そこで加えたモチーフが“動物”たち。
色のイメージから連想した動物を描き込んでみると、不思議なほど画面にしっくりと馴染み、その表情に思いを込めることも出来る。
「色と動物は、とても相性が良いんです」とミヤハラは語るが、自身と動物の相性も同様に良かったのだろう。
自身の目指す表現に相応しい動物を作品毎に選び出し、就寝するまでのひとときに彼等と絵筆を通して触れ合うことが、今では生活の一部となっている。
Q. 創作コンセプトや創作活動を始めたきっかけや経緯を教えてください。
ミヤハラ トモヤ：コンセプトは鮮やかに好きを描くことです。
動物と鮮やかな色彩で可愛さの中に好きという感情をぶちこんでます。
キリンや兎、羊に針鼠、ハイエナ・・・
なるべく多くの動物を描きたいとミヤハラは考えており、いずれの動物であっても瞳の描写には特に拘っている。
その目が何を語りかけてくるのか、描き様によって作品の雰囲気が明るくもなれば暗くもなるが、ミヤハラの胸の内に在るのは「絵を見てくれる人の心を癒したい」という思い。
瞳の中に優しさを宿せるようにと常に意識をして、制作に向かっているという。
絵のオーダーも引き受けており、「家族の一員であるペットを描いてほしい」「もう亡くなってしまったが、大好きだった動物園のライオンを絵にしてほしい」などの要望に対してミヤハラは、作品に着手する前にリスニングを行うことで依頼主の思いを汲み取り、その心に寄り添うことが出来る絵を目指している。
創作に取り組むようになってから、ミヤハラは多くの人と関わりをもつことが出来た。
自分の絵を好きだと言ってくれる人、自分に絵を依頼してくれる人・・・
「皆さんの心のほんの片隅にでも、もし自分の作品が息づいてくれたなら、とても嬉しいです」 そう彼は話してくれた。
Q.あなたの作品で、鑑賞者にどんな気持ちをGIFTしたいですか。また展示に向けての意気込みも教えてください。
ミヤハラ トモヤ：キュンキュンした気持ちをGIFTしたい。
可愛いをGIFTしたい。
見てるだけで心癒される明るくなるキュンキュンするそんな展示をしたいです。
その作風からは想像ができないが、「どちらかと言うと暗い性格なので、暗い絵が描きたいなと思う時も割とあるんですよ」とミヤハラは語る。
しかし、絵を描く際に優先するのは己の心情ではない。
重要なのは「見る人にどんな気持ちになってほしいのか」ということ。
自分の中にある暗い気持ちを具現化することで、誰かに暗い気持ちを届けたいのか？
答えは否だ。
鑑賞者の存在を意識することで、自ずとぬくもりのある絵を描くようになったのだそう。
もし翳りのある雰囲気の作品になるとしても、どこかに必ず希望を感じられる要素を加えるよう心掛けているという。
今後はアクリル絵具を駆使して より抽象的な表現にもチャレンジしたいとのことで、ミヤハラの生み出すアートは尚一層深みを増していきそうだ。
彼に敢えて、次のような質問を投げかけてみた。
Q現代社会に欠落していると感じる事や、自分自身の体験等から欠落していると感じる事を聞かせて下さい。
ミヤハラ トモヤ：欠落していることは特に思いつかないです。というより、生まれてしまったものが多く感じる。
SNSの普及により、より多くの発言が人の目につくようになった。
良いことももちろんあるけど悪い発言も。
自分の好きを分かち合える場もSNSの普及で多くなった。
現代社会に欠落していると感じることがあるのは
欠落したというよりそれ以上に増えたものが多く過ぎて埋もれてしまったのだと思う。
けど、埋もれてしまっただけで
まだどこかで生きてるはず。
自分自身に欠落していると感じるのはブレーキ。
思考のブレーキ、感情のブレーキ。
そこが欠落している。
（取材/執筆：大石）
ミヤハラ トモヤの作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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