叶原 朔 in GIFT2025
会期：2025年5月1日（木）～5月8日（日）
※5（月）6（火）7（水）は中休みです。
会場：Gallery IYN
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ネットで知り合った友人の影響で興味を持ち、気が付けば叶原 朔は、細やかで奥の深い表現が出来る切り絵の世界に魅了されていた。
この精巧な作品が、たった1枚の紙を切り抜いて作られているという面白さ、驚きと感動が、彼女の心を捉えて離さない。
ごく普通の絵であるならば、消しゴムで消したり、絵の具で塗り消したりと、ある程度の修正が可能だが、切ってしまった紙をもとの状態に戻すことは不可能だ。
故に、紙に刃を入れる際は真剣勝負。特に叶原が使用している神はコピー用紙程の薄さのものであるそうで、主線を誤って切ってしまわぬよう、細心の注意を払う。
難しい、だからこそ遣り甲斐も感じているとのこと。
そして、黙々と作業に打ち込む事がどうやら性に合っているらしく、制作に没入するひとときは極めて楽しい時間であるそうだ。
Q. 創作コンセプトや創作活動を始めたきっかけや経緯を教えてください。
叶原 朔：幼少期のおえかきに始まり、趣味のイラストを経て、専門学校の卒業制作展の自由課題にて切り絵を初めて制作しました。それ以降、黙々と制作できることも好みとなり切り絵の活動をメインとしています。本業はデザイナーをしています。
『私たちはここで生きている。』
切り絵は上記テーマのもと、創作少女たちの住む世界のワンシーンを切り絵で表現しています。
作品に登場する人物の表情は敢えて表現していません。世界の主人公たちがどんな表情をしているのか、どんな気持ちなのか、それは皆さんの想像力にお任せします。
自ら考えた少女たちの生きる世界をストーリー性のある創作物に昇華させるのが得意です。
切り絵の中に表現された少女たちの世界は、イラストを描いていた頃からのテーマが引き継がれている。
キャラクター毎に住む世界はバラバラなのだが、時折結びつくこともあるようで、連作にしてみたり、どこかデザインを共通させることで、その繋がりを密やかに匂わせるようにしているそうだ。
それを見つけ出すこと、推測をしながら画中世界に思いを巡らせることも、鑑賞を楽しむ方法の一つとして是非お薦めしたい。
今後も様々な世界が切り絵で展開されていく訳だが、目下取り組みたいテーマについて訊ねてみると「星座モチーフにした作品をリメイクしていきたいです」と叶原は答えてくれた。
また、タロットカードに強い関心があるそうで、新たなシリーズ作品の主題にしたいとも考えているという。
Q.あなたの作品で、鑑賞者にどんな気持ちをGIFTしたいですか。また展示に向けての意気込みも教えてください。
叶原 朔：もちろん作品背景を考えてもらえるのも嬉しいです。
ただ、それだけではなく、パッと見て「すごい」「綺麗」「かわいい」「細かい」と気軽な気持ちで楽しく見てもらいたいです。
普段、本業において顧客の満足を最優先にしているからこそ、切り絵制作において叶原は自分自身が如何に満足できるかということに重きを置いており、心から楽しんで取り組むことをモットーにしているそうだ。
表現したいものが上手く構図に起こせず、悩んでしまうこともあるそうだが、そうした折は無理をせず外出したり映画や動画鑑賞に興じることでリラックスしているとのこと。
自分のための作品だからこそ、自分を労わってやることも大切である。
誰のためでなく、自分のために。
しかし結果として、己の中の理想が誰かの好みにぴったり嵌ることもある。
作品を購入してくれた人から「見た瞬間に、可愛い！欲しい！とビビッと来ました」とメッセージを貰ったこともあり、そんな風に、今後とも思い入れのある作品たちが其々に素敵な縁に恵まれたら嬉しいと 叶原は語る。
取材の最後に、彼女に敢えて次のような質問を投げかけてみた。
Q現代社会に欠落していると感じる事や、自分自身の体験等から欠落していると感じる事を聞かせて下さい。
叶原 朔：怒りの感情が欠落気味かもしれません。軽いイライラはありますが、本気で怒ったと思うのは数回しかありません。
そしてそれで翌日体調を崩しました（笑）
（取材/執筆：大石）
叶原 朔の作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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