まんまる in GIFT2025
会期:2025年1月30日(木)~2月2日(日)
会場 Gallery IYN
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“まんまる”というアーティスト名には、目にすれば誰もが優しく丸い気持ちになれるような絵を描きたいという思いが込められている。
彼女がメインキャラクターとして描いてるのは、三つ編みにした尻尾がチャームポイントの猫。
猫が好きなので、「何か猫のキャラクターを作りたい」とフエルトで人形を制作した際に、祖母から「せっかくだから、尻尾に工夫を凝らしてみたら」と三つ編みにした刺繍糸を縫い付けてくらたことから、そのデザインが確立された。
彼女の創作は決して独りよがりなものでなく、周囲の人々の感性、意見に耳を傾けることで、その世界はより豊かで広がりのあるものになっている。
一番多くのアイディアを与えてくれるのは、まだ幼い彼女の愛息だ。
子供ならではの柔軟な発想に刺激を受けることは勿論、息子をモデルにした少年もイラストに登場させおり、「彼にどんな冒険をさせてあげようか」と、ワクワクするようなイメージがどんどん湧いてくるのだそう。
仕事と育児に追われる毎日なので、どうしても創作の時間は小分けになってしまうが、時間を置いて作品に向かうからこそ、前回には気が付かなかった修正点を見つけることが出来るという。
息子と過ごす時間の中でたくさんのアイディアを心に貯蓄し、彼が眠りに就いてから まんまる は、毎晩気持ちを新たに制作に打ち込んでいるのである。
Q. 創作コンセプトや創作活動を始めたきっかけや経緯を教えてください。
まんまる:幼い頃から絵を描くことはずっと好きでした。一児の母になった今、息子の好きなキャラクターなどを描くと大喜び。私の絵で喜んでくれる姿は素直にとても嬉しかったのです。家族や友人も、私のイラストを好きだと伝えてくれる方が多く、そこから見てくれた人に少しでも元気や笑顔を届けられたらなと思い創作活動を始めました。
少女期は学業、大人になってからは仕事において、まんまるは己に完璧さを求めるが故に自分自身に失望し、落ち込んでしまうことも しばしば。
及ばぬながらも常に一位になることを望んでしまい、人に頼られる存在でありたいと思えばこそ何事も断れず、その気質から自らを追い込んでしまいがちで、そんな時、好きな絵を描くことは最良のリラックス手段だった。
描いた絵に対しての評価も、傷ついた自尊心を癒し、彼女を勇気づけ、励ましてくれた。
小学校を卒業する際には、学年全体での卒業制作として行ったステンドグラス制作のデザインを任され、今も母校に飾られているその作品を目にする度に、彼女の才覚を認めて級友たちが作成に取り組んでくれた喜びが蘇るそう。
学生時代に彼女が送った手紙に添えたイラストを今も大切に持ってくれている友人、SNSを通じて彼女の創作を応援してくれる人々。そして、誰よりも彼女の絵のファンでいてくれる息子の存在・・・
幸福感が積もって心の中で山となり、いつしか まんまる は、完璧ならざる自分に対して優しくなれたのだった。
まんまる が現在のようにデジタル手法を用いるようになったのは子供が生まれてからで、画材の準備と片付けの手間がないことから、多忙な毎日でも制作を継続することが出来た。
かつては水彩絵の具を愛用していたので、今も同様の柔らかい風合いの作品を目指しているという。
デジタルイラストに切り替えたのを転機にSNSへの投稿も開始したので、もし息子がいなければ、クリエイターとしての彼女の現在はなかったかもしれない。
彼はその小さな手で、絵を描くことが大好きな母親を新たなステージへ導いてくれたのである。
Q.あなたの作品で、鑑賞者にどんな気持ちをGIFTしたいですか。また展示に向けての意気込みも教えてください。
まんまる:ちょぴっとの癒しや、笑顔。わくわく。
そのちょぴっとで見てくださった方々の心を彩れたら嬉しいです!
絵本の1ページのような、子ども心に戻れるような、そんな作品を私自信楽しみながら描いていきます!
是非見に来てくださると嬉しいです!
「虹はどこからやって来るの?」
「太陽と月は、どうして一緒に出て来ないの?」
幼い息子が感じるたくさんの“なぜ?”は、“大人の常識”から まんまる を解放し、柔軟な思考と広い視野を与えてくれる。
また、息子と共に絵を描いたり、粘土細工などを作りながら「こんな色遣いは、私には思いつかないな」「この独特の造形も面白いな」と、制作のヒントをたくさん貰っているという。
息子のセンスに刺激されることもあれば、一緒に読む絵本から、構図や表現方法を学ぶこともある。
以前、友人から絵本の作画を依頼されたことがあり、いつか自分でオリジナル作品も出してみたいとも考えているそうだ。
その他にも「グッズ展開など、徐々に活動内容を広げていきたい」と まんまる は話してくれた。
そんな彼女に、敢えて次のような質問を投げかけてみた。
Q現代社会に欠落していると感じる事や、自分自身の体験等から欠落していると感じる事を聞かせて下さい。
まんまる:自分自身で欠落していると思うものは…ちょうど良さ。
学生時代に限界が来て心を病んでしまった時に、恩師から「逃げてもいいんだよ。」と声をかけてもらってから、逃げるということは別の選択肢をまた選べるということなんだと、救われました。
それでも、まだまだちょうど良い所が分からず0か100かのところがありますが…これからの人生で自分のちょうど良いを見つけていけたらな〜とおもいます。
(取材/執筆:大石)
まんまるの作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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