電球 in GIFT2025
会期:2025年5月1日(木)~5月4日(日)
会場:Gallery IYN
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不気味だけど、明るくて、鮮やかで、楽しげな・・・その不思議なギャップこそが、電球の描き出す世界観の一番の魅力であるかもしれない。
一つ目の少女やゾンビなど、画面の中の異形の者たちは、彼等に対して一般的に抱かれるイメージを、まるで「それ偏見だよ」と一笑するかのようである。
こうした作風に落ち着いたのは、電球が以前から好んでいるティム・バートン監督の映画作品の影響も大きいかもしれない。
時に色鉛筆、時にクレヨンやオイルパステルを用いており、いずれにしても下絵は用意せず、ぶっつけ本番で本描きに臨むことが彼女の拘りだ。
それは、下絵が想定以上の出来栄えになってしまった際に、本描きが劣ってしまうことがないようにと考えてのこと。
色鉛筆は消しゴムを用いても色が残ってしまうこともあり、また紙に彫りが残ってしまう。
クレヨンやオイルパステルは言わずもがな。やり直しが出来ないために難しいことも多いが、描画が上手くいった際にはそのぶん鮮度が高く、勢いのある作品に仕上がっているようだ。
Q. 創作コンセプトや創作活動を始めたきっかけや経緯を教えてください。
電球:自分の頭の中の世界を表現したいという思いで絵を描いています。

高校生までは鉛筆でモノトーン作品ばかり描いていたが、専門学校に上がってからは画材の幅もモチーフの幅も一気に広がったらしく、特に着彩画に取り組むようになったという点で、学生時代は電球にとってターニングポイントであったようだ。
しかし、初めはどのように色を扱えば良いのか戸惑ったそう。
西洋美術など様々な絵画を観察する内に、明部は白色一色ではく、また暗部も決して黒色が単調に塗られていることではないと気がついたのが二年生の頃。
多様な色が複雑に組み合わされて光や陰が表現されているという発見は、自らの目指す鮮やかな色彩表現に応用することが出来た。
陰の描画にも黒や灰色などは用いず、固有色の補色を用いることで彩度を落とさないようにする・・・この答えを導き出したことで、電球ならではの“色”が誕生したのである。
Q.あなたの作品で、鑑賞者にどんな気持ちをGIFTしたいですか。また展示に向けての意気込みも教えてください。
電球:色の鮮やかさにこだわっているので、カラフルな絵を見て、楽しい気持ちになっていただけたら嬉しいです。

休日は、ひらすらに制作三昧。
この楽しみがあるからこそ毎日頑張って過ごせるのだという電球は、描き始めたら食事時になっても気が付かないで作業に没入していることが殆どだ。
そんな時、空腹は全く感じない。
ただ、色を不用意に混ぜ過ぎてしまうなど、なにかしら「調子が悪くなってきたな」と感じだし、そこで初めて自分がエネルギー切れになっているのだと思い至るらしい。
その後は、小休止を挟んで胃袋を満たしてから仕切り直しだ。
食事さえも忘れてしまう程に、絵を描いている時間は唯々幸福である・・・電球にとって、創作は何ものにも代え難い大切な生き甲斐だ。
取材の最後に、彼女に敢えて次のような質問を投げかけてみた。
Q現代社会に欠落していると感じる事や、自分自身の体験等から欠落していると感じる事を聞かせて下さい。
電球:もっともっと明るくて、ハッピーな気持ちを持っていたいなと思います。将来や、夢が叶うかなという不安を吹き飛ばして人生明るく突き進んでいく勇気と、気持ちを持ちたいなと思います。
(取材/執筆:大石)
電球の作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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