鈴木佑海 in GIFT2024
会期:2024年3月21日(木)~3月24日(日)
会場: ART STORE IYN
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鈴木佑海 経歴
・2021年「童話展~君に贈る物語~」出展(Gallery IYN)
・2022年「わたし色に染まれvol.2」出展(Gallery IYN)
・2023年「LOVE展vol.2」出展(Gallery IYN)
※写真は光調整などの加工をしております。
※展示写真は保存・SNSでの使用全て可能です。
植物や海の生き物をテーマにした抽象的なアクリル画作品と、コルクで出来た人形のコラボレーション。
まるで童謡の一節や絵本の一場面のような鈴木佑海のアート作品は、鑑賞者に童心を思い出させてくれると同時に、幼子を見守る際の温かく優しい気持ちを呼び起こしてくれる。
絵がとにかく好きだった鈴木に、両親は就学前から絵画教室に通わせてくれ、彼女はそこで様々な技法や素材と出会った。
絵具だけでなく粘土も扱い、当時一番親しんでいたのは絵画だったが、平面立体に関わらず「物を作る」ということが鈴木の日常となった。
芸術大学では高校時代から始めた油絵をより深く学び、抽象表現にも具象表現にも取り組んだ。
作風は様々に変化したが、現在アクリル画を描く際は、モチーフの形状から受ける印象を色に置き換えて、作品のメインカラーとしている。
モチーフの固有色を抽出するのではない。たとえば、葉の丸い植物であれば丸い葉の形に見合う色を、尖った葉ならば尖った形状の雰囲気が伝わる色を選ぶのである。
その様にして、写実的な趣を残しつつも独創的カラーリングの鈴木の絵画は生み出されているのだ。
コルク粘土の人形を作品に取り入れるようになったのは大学1年生の頃。
母親が「玄関に何か飾れるものが欲しいね」と言ったのが切っ掛けだったそう。
Q. 創作コンセプトや創作活動を始めたきっかけや経緯を教えてください。
鈴木:幼いころから絵を描くことが好きで、床に紙をひろげて一日中絵をかいていました。
たくさんの色を使うのが好きだったこと、それを見て周りの人が喜んでくれたことが、絵を描くことを続けるきっかけになったと思います。
子を持つ母となり育児に追われる中で、しばらく鈴木は、絵も人形も「創作したい」という気持ちも湧かなくなっていたという。
そんな折、祖母が亡くなった。
鈴木は悲しさとやりきれない気持ちをどうして良いものか解らずにいたが、祖母との思い出を絵にすることで、祖母と過ごした日々と彼女が冥途へ旅だったという事実を昇華することが出来た。
「あらゆる出来事を受け入れるために、自分の気持ちを整理するために、創作をすることは必要なことだ」と悟り、乳児の頃と比べれば子供も手がかからなくなってきた頃合いでもあったので、鈴木は制作を再開したのだった。
彼女にとって絵画の魅力はやはりその色見。
イメージに合わせた色を作るべく混色をする中で、思うような色になる時もあれば、ならない時もある。
偶然生まれた色彩が、自分の想定していたもの以上に素晴らしい効果を画面にもたらすこともあり、それが色作りの醍醐味だ。
人形の場合は粘土が乾くと収縮するので、それを計算して作らなくてはならない。
また、粘土の質感を損なわないように絵具を塗る必要がある。
気を付ける点は多々あり、難しくもあるが、絵とは異なる立体ならではの存在感がある。
絵だけでは表現できないものを人形で、人形だけでは伝わらぬものを絵で補うことができる。
どちらも鈴木のアートに欠かせない大切な要素だ。
Q.あなたの作品で、鑑賞者にどんな気持ちをGIFTしたいですか。また展示に向けての意気込みも教えてください。
鈴木:忙しなく過ぎていく毎日の中に、ほっと一息、気持ちを緩められるような空間づくりができたらいいなと思います。
見てくださった方が、あたたかい気持ちになれるような作品を作っていきたいです。
我が子と遊んでいたり、一緒に出かけたりする際に、「思わぬ発見がたくさんある」と鈴木は語る。
粘土などの工作道具を自由に扱う様であったり、大人では見落としてしまう小さな草花や石、雑草の中にある魅力について教えてくれたり・・・
子供と過ごす時間はいつも楽しい刺激に満ちている。
仕事と育児と制作、全てをこなすことは決して容易なことではないが、時間をうまく調整しながら、今後は今よりも少し大きめのサイズの作品にも挑戦したいとも考えているのだとか。
悲しいことや苦しいことだけでなく、嬉しいこと、楽しい事など・・・
感情が大きく揺れる時、それがプラスであれマイナスであれ人の心は不安定な状態になる。
だが、どんな時も形を作り、色を探し求め、集中して作品づくりをすることで感情をフラットな状態に戻せるという鈴木佑海は、これからも創作をしながら、様々な感情を乗り越えて行くことだろう。
彼女に敢えて、社会や自分には足りないと感じているものについて聞いてみた。
Q.現代社会に欠落していると感じる事や、自分自身の体験等から欠落していると感じる事を聞かせて下さい。
鈴木:「芯」 心配性で不安になりやすく、身に起こった様々なことに気持ちが揺らいでしまいます。自分を見失うようなこともよくあります。
そういった部分を補い気持ちを整えるために、私にとって作品を作るということがとても重要な存在になっていると思います。
(取材/執筆:大石)
鈴木佑海の作品を心ゆくまで堪能できる4日間
GIFT2024を、どうかお見逃しなく!
鈴木佑海のSNSも、是非ご覧ください。
instagram:@ypy.yupiya
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《 鈴木佑海 プロフィール 》
1986年生まれ
静岡県出身
色と色との混ざり合いは人と人とのかかわり合いに似ているなと思います。
隣り合うことで馴染んだり心地よい配色になったり、逆に反発したり濁ったり。合わないかなと思っても相乗効果でお互いを引き立てあうこともあるし、間に他の色を置くと途端に魅力的な組み合わせになることもあります。相性がいいと思って似た色を並べたらぼんやりしてしまうことも。
経験則だけでは測れない思いがけない出会いが私は好きです。
馴染み、にじみ合い、混ざり合い、時には反発することがありながらも、確かにそこに在る色。私達もそうやって過ごしているのだと思います。
…そんなことを思いながら、絵をかいたり粘土をこねたりする日々です。