ないれん in GIFT2024
会期：2024年9月19日（木）～9月22日（日）
会場：Gallery IYN
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小学生の低学年から購読を始めた少女漫画冊子「ちゃお」によって、ないれん の創作の方向性は、コミックテイストのイラストに定まった。
漫画に登場するヒロインたちをイメージし、理想の“可愛さ”を紙の上で追及することが彼女の日常の一部になり、その日課は現在も変わっていない。
高校からは、社会に出てから役立つのではデザインを専攻し、その後は美術大学に進学。
現在の仕事にデザインが直結している訳ではないが、大学で学んだプロデュースのノウハウが、たくさんの人と協力し合い 物作りをする際に生かされているという。
また、美術を志す朋輩たちと出会いが、学生時代に得た一番の宝であったかもしれない。
在学中から絵の依頼を請負っている者もあれば、グッズ展開に力を入れている者もあり、学友たちの活動・活躍には大いに刺激を受けた。
SNSに作品や制作動画を投稿するようになったのも大学時代からで、友人の一言に背中を押されたのだそう。
Q. 創作コンセプトや創作活動を始めたきっかけや経緯を教えてください。
ないれん：もともとノートでもなんでもすぐに落描きをする癖があって、それを見ていた友人が「一発描きが出来るんならタイムラプス撮って載せてみたらいいのでは」と言ってくれたのがきっかけです。
必ずしも一発描きにこだわってはないが、時間さえあれば常に絵を描いていたため“あたり”をつける感覚が磨かれたのか、ないれん は迷いなく絵を描き進められる事が多いという。
シャーペンの描き心地を特に好み、線を重ねていきながら「髪型は三つ編みにしよう」「目は垂れ目にしてみよう」と、その時々の閃きで少女の姿を浮かび上がらせる。
描画に費やす平均時間は5～10分ほど。
飽く迄も“落書き”として描いているので、完成度を上げることは重視せず、描きかけで終わらせることで独特の味わいを演出することも出来る。
「その気ままさが楽しい」と 、ないれんは語る。
無論、落書きではなく1点の作品として、きっちりと絵を作り込むこともあるり、描ききった達成感もまた心地よい。
しかし、彼女の創作の核となっているものは、“自由な落書き表現”なのだそうだ。
Q.あなたの作品で、鑑賞者にどんな気持ちをGIFTしたいですか。また展示に向けての意気込みも教えてください。
ないれん：少しでも癒しやトキメキを感じて貰えたらいいなと思います。
SNSを始めた際は、「きちんとした完成作品でなくては、投稿してはいけないのではないか」とも感じたが、友人の後押しでアカウントを設立。
展覧会へ出展するにあたっても躊躇いがあったが、意欲的に活動を続ける友人等の熱意に引っ張られるようにして、第一歩を踏み出したのだそう。
たとえ世間に作品を発表することがなかったとしても絵を描き続けていたことと思うが、「絵を見てもらうこと、評価してもらうことは、間違いなく創作のモチベーションに繋がっています」と、ないれん は語る。
SNSにおいては海外の人から反応を貰うことが多く、絵とは言葉を必要としない表現ツールであるために、様々な国の人に楽しんでもらえるのだと実感したそうだ。
ささやかではあるが、絵を通して広い世界と関わりを持つことができるのも、創作活動の醍醐味であるかもしれない。
自分にとって、絵は何よりも大切なものであるからこそ、嫌いになったりしないよう、描くことを自分の義務とはしない。それが ないれん の信条だ。
「描かなければ」と思って描くのではなく、ただ描きたいから描く。
「投稿をしなくては」と気負うことなく、良い絵が描けたらから発表する。
このスタンスを貫いて、彼女は絵を生涯の友として歩んでいく。
今後は、どんなジャンルの絵でも楽しんで描けるよう無理のない範囲で研鑽を積み、成長していきたいと考えているそうだ。
彼女に敢えて、社会や自分には足りないと感じているものについて聞いてみた。
Q現代社会に欠落していると感じる事や、自分自身の体験等から欠落していると感じる事を聞かせて下さい。
ないれん：なんでもかんでも厳しくなりすぎているなと思います。差別はよくないけど区別はすべきだし、敏感に反応しすぎるのも生きるのが苦しくなってしまうだけだと思います。
（取材/執筆：大石）
ないれんの作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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instagram: @naire_n017
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