くもうさぎ in GIFT2024
会期：2024年4月4日（木）～4月7日（日）
会場：ART STORE IYN
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子供の頃から可愛くて儚い女の子に憧れ、絵を描いていたくもうさぎ。
物語を考えるのが好きで漫画をメインに描いていたが、次第にイラスト作品の中に小物や背景描写を描き込み、ディテールを細かくすることで、彼女は1つのイラスト作品の中に想いや物語を込めて描くようになっていく。
アナログ作品からデジタル作品へと表現が移ったのは19歳の頃。
Instagramのリール動画で様々なイラストレーター達のデジタル作品を描く姿、デジタルイラストだからこそできる表現の広がりに感銘を受け、自身もデジタルイラストで作品を制作するようになった。
くもうさぎは、自身の憧れを甘く儚い幻想的世界として、イラスト作品に昇華している。
Q. 創作コンセプトや創作活動を始めたきっかけや経緯を教えてください。
くもうさぎ：昔から絵を描くのが好きでしたが、自分の憧れや願望をよく絵にしてきました。お姫様のような華やかな服を着たい、甘いスイーツをいっぱい食べたい、かわいい動物や綺麗な花に囲まれたい、といった自分の望むイメージを描くことで自分自身の心を満たしていたのだと思います。しかし今は、自分だけでなくイラストを見てくださった方々、手に取ってくださった方々に、心が癒され和むような「かわいい」というイメージを届けたいという思いで描いています。
くもうさぎの描く大きな瞳が印象的な少女達は、時代を超えて愛される着せ替え人形「ブライス」から着想を得ている。
顔立ちや吸い込まれてしまいそうな瞳を表現する為、ドール達の写真集を参考に、そこから得たインスピレーションを取り入れて、より女の子の瞳や衣装が際立つ構図が描けるように日々研究している。
ふわりとしたお姫様のような服やロリィタファッションへの憧れを抱きながら、普段の生活では難しい着こなしや、自身が可愛いと感じるものたちをテーマに、鮮やかな色彩は避け、むしろグレーがかった淡く柔らかな色調に焦点を当て、非現実的でありながら夢に満ちた憧れの世界を創り上げていく。
作品制作は仕事終わりや、休みの空いている時間など1日の中で少しずつ時間を見つけ、制作に取り組んでいる。
特に構想を含めた複雑な作品になると1枚に20時間以上かかることもあるが、この時間を大切にし、丁寧に制作に取り組むことで、より深みのある夢のような作品を生み出すことにつながっているのだろう。
Q.あなたの作品で、鑑賞者にどんな気持ちをGIFTしたいですか。また展示に向けての意気込みも教えてください。
くもうさぎ：かわいいものを見て得られる癒しやワクワクを、私のイラストから感じてもらえればと思います。
見てくださった方々の心に残るような、優しいイラストを届けます！
今後はくもうさぎは、女の子をベースに描き続けながらも、世の中の様々な女性や男性と、モチーフの幅を広げていく予定だ。
性別に限らず、それぞれが心の中で抱く願いや、憧れているけど実現はできない夢を自らが描くイラストを通じて、幻想的且つ観る人達の心癒すことのできる作品を生み出していきたいという。
近年では個人の趣味趣向、多様性が重視されていき、SNSでは性別を越え自身の好きな事を様々な人達が発信を行っている。そうした中で、自身も内に秘めた願望や憧れを作品で発信するくもうさぎに、社会や自分には足りないと感じているものについて聞いてみた。
Q現代社会に欠落していると感じる事や、自分自身の体験等から欠落していると感じる事を聞かせて下さい。
くもうさぎ：昔に比べて、自分の好きなもの、好きな服、考え方などをひとりひとりが表に出しやすい時代になったと思います。しかし、やはりまだ全員がそのようにできるわけではなく、周りの目や意見を気にして自分の「好き」を隠したり、我慢したりしている人も多くいると感じています。
私自身、自分の望みをイラストに描いてはいるけれど、周りの目を気にして華やかな洋服を着たり、体型を指摘されるのが怖くてスイーツを食べることを躊躇ったりしているところがあります。
現代社会の欠落と言えるかは分かりませんが、今後、より多くの人が、周りの目を気にせず自分の好きなことやものと共に生きられるようになることを願っています。
（取材/執筆：上田）
くもうさぎの作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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