k-96 in GIFT2024
会期:2024年9月12日(木)~9月15日(日)
会場:Gallery IYN
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小学生の時に親にねだり、誕生日プレゼントとして買って貰った、ある一冊の書籍。
それは、あらゆるものの内部構造を子供向けにわかりやすく解説した図鑑で、平素なら表装に隠れて見えない未知の部分を知る楽しさに、k-96は夢中になった。
車の下回りやエンジン、ボンネットの中など機械の内側や、神秘的で不可思議な生物の臓器・・・
私たちは普段から様々な事物に囲まれて過ごし、それの姿を把握しているようでいて、実は見えていないものだらけ。知らないことだらけだ。
k-96の描き出す 己の体の中をさらけ出した人物像は、物事の裏側までも見つめたいという好奇心、探求心の現れであるのかもしれない。
また、そうした関心が向けられるのは、物質のみに留まらない。
悲しみ、怒り、苦悶など、人が他者には見せまいとする いわゆる“負の感情”にこそ、真実があると考える。
故に、自ずと作品のテーマも翳りを帯びたものになりがちだ。
見る人の好き嫌いが大きく分かれる作風であり、グロテスクと感じる人もいるかもしれない。
しかし そこには、鑑賞者に媚びることのない、偽りや虚栄とは無縁の“美”が描き出されているのである。
Q. 創作コンセプトや創作活動を始めたきっかけや経緯を教えてください。
k-96:創作コンセプトは美しいものを好きなように描く
創作活動を始めた経緯は大学生になり時間ができたため始めた、特にこれと言って大きなきっかけは無い。
友達と遊び半分に落書きをすることはあった
ものの、大学に上がる以前は腰を据えて描画に打ち込むことは一切なく、k-96のイマジネーション主に小説執筆に向けられていた。
言葉紡いだ世界観を、視覚化したら一体どうなるのか・・・そうした興味もあって、絵の世界に踏み込み、描画技法はまったくの我流。
手探りで、デジタル手法を習得した。
「自分には才能なんでありません」 K-96は、きっぱりと言い切る。
描いている最中はそれなりの出来であるように思えても、仕上がりを見れば自身の筆の拙さばかりが目についてしまう。
自分が思い描いた目標に到達できたことなど一度としてない。
けれど、それは必ずしも悲観すべきことではないのだともいう。理想に手が届いてしまったなら、おそらく自分はもう描くことをやめてしまうであろうから・・・
表現しきれなかったからこそ、次の作品に挑む必要が生じるのだ。
未熟さこそが、創作という道をひた走るための燃料であると言えるのかもしれない。
以前と比べると、小説よりもイラストにかける時間の方が多くなってはいるが、どちらの表現手法を用いるにせよ創作に生かせるように、k-96は目や心に留まったものは必ずメモをする。
また 余暇の半分は絵を描くことに使い、もう半分は外部から刺激を得る為に外出をするようにしているそうだ。
描画をしている時間以外の時も含め、毎日のすべてが、イラストや小説作品へと結びついていくのである。
Q.あなたの作品で、鑑賞者にどんな気持ちをGIFTしたいですか。また展示に向けての意気込みも教えてください。
k-96:私は私が「かわいい」「綺麗」「美しい」などと思うようなものを好きに書いているだけなので、自由に見てもらいたい。そこから何かを感じ取ってくれても、醜いと思ってもらっても。
k-96にとって創作をすること、作品を発表することは、必ずしも自己顕示欲とは直結しない。SNSに投稿をするようになったのも、誰かに見て貰うためにではなく、データの保管、バックアップが主たる目的だった。
自分の絵を人に知ってもらうことよりも、むしろ自分と似た嗜好のクリエイターを知れた点において、SNSの有益性を感じているという。
もちろん自分の脳裏に浮かんだアイディアは己の手によってしか生み出し得ないが、仮に自分が絵を描かなかったとしても、同じジャンルの絵を描く人々のおかげで、自分もその世界観を鑑賞者として楽しむことが出来る。
それは一種の安心感とも言えようか。
表現者として、決して他者と自分を比較せず、他者を妬みもしない。
世間にどう評価されるかではなく、ただ自分が描きたいものを、自分が見出した美を追及する。
そんなポリシーを貫くk-96に、敢えて社会や自分には足りないと感じているものについて聞いてみた。
Q現代社会に欠落していると感じる事や、自分自身の体験等から欠落していると感じる事を聞かせて下さい。
k-96:現代社会はすごく窮屈な印象があります、
(取材/執筆:大石)
k-96の作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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《 k-96 プロフィール 》
k-96と言います、趣味で絵を描いています。
かわいいもの、美しいものを描こうとしています。