あさつゆ in GIFT2024
会期：2024年10月31日（木）～11月3日（日）
会場：Gallery IYN
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小学生の頃に、図書館でよく偉人の伝記や神話に関する本を読んで、あさつゆ は古の時代へ憧れを抱くようになった。
後に古典の授業をきっかけに平安文化にも興味を持ち、徳川幕府のもとで200年以上の歳月をかけて花開いた江戸の文化へも関心を寄せる。
雅やかで華やかな装束を彩る独特の文様や色合いに魅了され、いつしか彼女は歴史上の人物を描いたり、画中の女性に和服をまとわせるようになったそう。
伝統的な服飾ついて調べてる内に、階級や立場によって衣服や髪型に違いがあることや、色や模様にも様々な意味があることを あさつゆ は知った。
「ただ自分の好きな衣服を着る」という現代のファッション感覚とは異なっている点が面白く、人々は決まり事を守りつつも、最大限のお洒落を楽しんできた・・・それは何と素敵なことだろう。
そう 彼女は考えている。
また、古語の美しさにインスピレーションを受けて作品を描くことも多く、四季折々の草花の花言葉から着想を得ることもある。
画中に漂う奥ゆかしくて情緒的な雰囲気が、鑑賞者を幽玄の世界へと誘うようだ。
Q. 創作コンセプトや創作活動を始めたきっかけや経緯を教えてください。
あさつゆ：小さい頃から絵を描くのが好きなのがきっかけで、活動を始めたきっかけはSNSに投稿したイラストに感想をいただけるのが嬉しかったからです。
あさつゆ は高校及び専門学校で美術とデザインを専攻し、その頃は顔彩や透明水彩などアナログ画材を愛用していた。
だが、社会人になってからは時間の余裕がなくなり、ゆっくりと絵具を広げて作業をすることが難しくなってしまう。
そこで彼女は、準備や片付けの手間もなく手軽に描画をできるという点からデジタルイラストへ移行した。
しばらくは 友人から薦められて始めたゲームの二次創作に勤しみ、SNSで投稿をしてみると、鑑賞者からの声が思いの外たくさん届いた。
まるで学生時代の講評会のように、感想や意見を貰えることが嬉しく、とても有難かったと あさつゆ は語る。
こだわりぬいた細部描写を褒めてもらたり、また「このキャラクターの性格を踏まえて、こういう要素を取り入れたんですね」と、表現の意図を汲み取ってもらえたり・・・
そうした言葉の数々に背中を押されて、現在の彼女が在る。
仕事に慣れて、段々と生活に落ち着きが戻ってからは、再びオリジナル作品を描くようになった。
また SNSを通じてあらゆるアーティストの作品に触れ、パステルや水彩画のメイキング動画を目にしたことから「もう一度自分も描きたい」と、アナログ画作品にも取り組むようになったのだそう。
学生時代と それ以後の経験を生かしながら、彼女は新たに独自の世界を築かんと歩み始めている。
Q.あなたの作品で、鑑賞者にどんな気持ちをGIFTしたいですか。また展示に向けての意気込みも教えてください。
あさつゆ：綺麗、美しい、かわいいを
コンセプトに贈り物のような作品をお届けしたいです。
デジタル技法を学んだ経験が生かされているのか、あさつゆ の水彩イラストは、学生時代よりも表現に深みが出ているようだ。
以前は唯々淡く描画をしており、そうした色調を好んでいたのだが、デジタルイラストにおいては思いきった色彩に挑戦をしてみたり、またコントラストを強めた表現も試してみた。
いま水彩画に取り組むにあたっても、画面全体やモチーフの明暗をしっかりと意識をし、その結果、淡いながらも存在感のある仕上がりになっている。
また、社会人経験も彼女の創作スタンスに少なからず影響を与えているようだ。
パッケージなど商業デザインに携わっていることから、伝えたいメッセージを要点よく描き表し、その絵を誰に届けたいのかということを、自ずとイラスト制作においても考えるようになったという。
描き手が真摯に作品と向き合ったのか否か。それは出来栄えから鑑賞者に伝わってしまうものであると、あさつゆ は考えている。
会場に足を運んでくれた人に失礼のないよう、自分で納得できる仕上がりになる迄は決して妥協しない。それがクリエイターとしての彼女の信念だ。
彼女に敢えて社会や自分には足りないと感じているものについて聞いてみた。
Q現代社会に欠落していると感じる事や、自分自身の体験等から欠落していると感じる事を聞かせて下さい。
あさつゆ：日々世の中目まぐるしく
時間が動いているので、便利や円滑と引き換えに
ゆっくりとした時間が少し欠落してきているのかなと感じます
（取材/執筆：大石）
あさつゆの作品を心ゆくまで堪能できる4日間
GIFT2024を、どうかお見逃しなく！
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