ユリカ in ART INPUT 2025
会期:2025年3月13日(木)~3月16日(日)
会場:Gallery IYN
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その瞬間々々の感情を描き留めるべく、その思いが冷めやらぬ内に、色褪せぬ内に、ユリカは勢いよく画布の上にアクリル絵の具を塗り重ねていく。
昔取った杵柄で、絵の具の扱いは手慣れたもの。
しかし描かれる画題は、模写や写生が主だった子供時代とは大きく異なり、画中には抽象的な精神世界の情景が広がる。
特に絵筆を再び持つようになってからしばらくは、縋るような思いで創作に向かうこともしばしばで、涙を流しながら思いの丈を作品にぶつけていたという。
Q.これまでの創作活動の中で、あなたの一番の代表作と思われる作品を教えて下さい。
また、何故その作品をお選びになりましたか。
ユリカ:「怒り」です。幼少期の怒りが爆発しうまれた作品で、私の原点のような気がします。
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ユリカの心を創作へと駆り立てる、激しい怒り。
それは、今は亡き彼女の母親に対して向けられたものだった。
母親から受けた虐待によって心に癒えぬ傷を負いながらも、母は娘の悲憤を受け止めることもなく、自ら命を絶ってしまった。
責めるべき相手を失い、どこへも遣り場のない苦しみは彼女の中で渦を巻きながら膨らみ続け、その心を圧迫していく。
その怨嗟の念を原動力に幾枚もの絵を描いたことは、彼女が暗い過去から解き放たれるために必要な通過儀礼であったのかもしれない。
すべてを昇華することができたということなのだろうか、最近では自然と明るさや希望が感じられる作品が仕上がることが多い。
嘗てない軽やかな心で、彼女は新たな人生を歩み出したのである。
Q.貴方の創作の方向性を決定づけた時期や出来事、また影響を受けたアーティストや作品などがあれば教えて下さい。
ユリカ:幼少期~小学校6年生まで自由に作成・制作ができる「お絵描き教室」に通っていましたが、幼少期のトラウマから解離性健忘になり絵を描く事が好きだった事自体を忘れていました。
出掛けた際に画材屋さんがあり、引き寄せられるようにお店へ入るやいなや、色々な画材があり何だかわからないけど知っている!と言う感覚でキャンバスを買って帰りアクリル絵の具で手探りで感覚を思い出し描きだしました。それが2023年9月の事です。30年近く絵を描く楽しみを忘れていました。
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描かずにいはいられない、吐き出さずにはいられない・・・そんな激情の波が静まり、心に平穏が訪れたことは幸福なことではあるのだが、あまりにも不幸と隣り合わせに生きてきたために、ユリカは喜ばしい筈の現状にもいささか戸惑いを覚えているそうだ。
絵を描くにしても、以前ほどの強い衝動に駆り立てられることがなくなり、「ちょっとスランプかもしれないですね」と話す彼女の声には、袋小路に陥った芸術家の一般的なそれとは違い、翳りや憂いは感じられない。
それは絶望的なスランプではなくて、ただ幸福な思いを昇華することに未だ不慣れなだけなのだ。
「幸せであることにもう少し心が慣れて、激情的な創作ではなく、ふわりと優しい気持ちで描けるようになれたら良いなと思っています」 そう彼女は話してくれた。
安らいだ思いを、今は絵よりも書に託すことが多いらしい。
我流で始めた書道も、以前は暗い言葉ばかりを綴っていたが、心の変化と共に前向きな言葉を好むようになったそうだ。
これからのユリカが紡ぎ出す絵の世界と書の世界の双方に、是非ともご注目頂きたい。
取材の最後に、彼女へ次のような質問を投げかけてみた。
Q.これまで創作において、人生において、苦しい状況に陥った際にどのようにして乗り越えてこられましたか。
絵を描く楽しさを思い出してからは、その時感じた強い思いを絵にぶつけ、自分の気持ちを吐き出す手段として創作しています。
(取材/執筆:大石)
ユリカの作品を心ゆくまで堪能できる4日間
ART INPUT2025を、どうかお見逃しなく!
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《 ユリカ プロフィール 》
1986年産まれ
幼少期に母親からの虐待により解離性健忘となり、絵を描く事が好きだった事自体を忘れてしまう。
絵を描く楽しみを思い出してからは、思いの丈を絵へぶつけるように。
IQが71とグレーゾーンな事もあり、模写や写生はどこを見てどこを描いているのかすら分からなくなってしまう。その時々、感じたままにキャンパスへと思いを乗せて抽象画を描く。