- yuko Oishi
- 4月11日
- 読了時間: 5分
更新日:4月11日
霧村蛇月 in ART INPUT 2025
会期:2025年5月29日(木)~6月1日(日)
会場:Gallery IYN
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霧村蛇月が「ART INPUT展」で披露するのは、今年の3月から描き始めた新しい作品シリーズで、丁度新型コロナウィルスに罹ってしまい、寝込みながらも着手したものであるという。
それは、一見するとかなり暗い主題だ。
制作にあたって、霧村は徹底的に自らの負の側面と向き合っている。
社会人になって、学生時代以上に他者と関わる機会が増え、彼女は自分のことをより知るようになったが、それは己の嫌な部分も知ることでもある。
悲しいかな、嘗て「自分は決してこうはなるまい」と思っていた反面教師に似てきてしまっている自分に、気が付いてしまう。
そして、彼女は考えた。
こうして見えて来た様々な自らの欠点を、いっそ画題にしてみたら良いのでは、と。
すると、面白い程にぽんぽんと描くべきネタが浮かんくるではないか。
それらを昇華する作業は、テーマの暗さと裏腹に楽しい作業であるのだそう。
Q.これまでの創作活動の中で、あなたの一番の代表作と思われる作品を教えて下さい。
また、何故その作品をお選びになりましたか。
霧村蛇月:「毒吐」です。タイトルは「どくはく」と読みます。
他人に対しての毒や悪態はこれでもかというくらい出てくるのに、それを止めることができない、そんな自分に嫌気がさして描きました。
発した言葉は、すべて自分に返ってくるとよく言います。自戒として、そして自戒の「独白」としてこの作品を今回の代表に選びました。

従来の自分の描き方では今回のテーマは表現しにくいと感じ、霧村は細かな描き込みを控え、シンプルな色面構成で新シリーズに臨んでいる。
今までの作品とは全く異なる趣だが、「こうした描き方も意外とアリだな」と、彼女はテーマだけでなく描画方法も開拓した。
作品を通して日々自分と向き合う中で実感したことがある。
それは、結局自分は“凄く優しい人間”などではないということ。
そして、こうも考えている。
とことん優しくはなれないかもしれないが、それを自覚している分だけマシであるのではいか、と。
誰しもが、長所と短所を抱えて生きていている。
どんな点に悩み、コンプレックスを感じているかは十人十色だが、「もし私の作品の中から、共感できる一枚を見つけてもらえたら嬉しいです」と、霧村は作品披露に向けた思いを聴かせてくれた。
Q.貴方の創作の方向性を決定づけた時期や出来事、また影響を受けたアーティストや作品などがあれば教えて下さい。
霧村蛇月:創作の方向性は、おおよそ高校生の頃には決まっていました。明確になったのは大学生の頃です。
結局自分は何が描きたいのかと考えたときに、自分の表現に共感してくれる人を集めたいと考えるようになりました。
方向性を決めていく中では、「K」「宝石の国」「Pandora Hearts」「キノの旅」最近ではフリーゲーム「アクアリウムは踊らない」に影響を受けました。
どこか仄暗く、それでいて人の温かさを感じられるような、完璧ではない裏表のある作品に惹かれやすいです。

「完全無欠の主人公が活躍する物語ではなく、どんなに強い主人公でも苦境に立たされ、葛藤する場面がある話が私は好きですし、緩急がある方が読みやすいと感じます」と、霧村は語る。
そして、それはイラスト表現においても同じかもしれない。
純粋に美しさを追及した作品も勿論良いが、人間の持つ暗い側面にもスポットを当てたいし、そうすることで鑑賞者にもより楽しんで貰えるのではないか・・・
そう彼女は考えている。
ART INPUTではテーマを統一して展示をするが、今後は明暗どちらの方向でも創作を続けていきたいとのこと。
「しばらくは人間の闇にもっとフォーカスしたいなと思っていますが、それを描き切ったら明るくて綺麗な絵も描きたくなると思います」 そう彼女は話してくれた。
取材の最後に、彼女に次のような質問を投げかけてみた。
Q.これまで創作において、人生において、苦しい状況に陥った際にどのようにして乗り越えてこられましたか。
霧村蛇月:そういった時こそ創作をやめないようにしていました。
創作活動は、既に自分の中では心の救済行動になっているので、やめてしまうと自分を保てなくなると考えていました。似た境遇のキャラクターを作り、彼らがどうしたら救われるかということを考えたこともあります。つまり、登場人物に自己投影をしていると言っても過言ではありません。
自己分析のためにも、自分を細分化したキャラクターを作ったことがありました。そのキャラクターと対話するような形で現状を分析し、解決につながるよう行動するということをしたこともあります。
創作活動はほぼ唯一続けている趣味でもあるので、これだけは今後も続けていくと思います。
(取材/執筆:大石)
霧村蛇月の作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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