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shimshiro in ART INPUT 2025


会期:2025年2月6日(木)~2月9日(日)

会場:Gallery IYN


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グラフィックアート
Inside mind-53-「カラオケ」


中高生の頃、他の授業ではこれといった得意科目がなかったが、例外的に美術の時間は教員から褒められることが多かった。

キャラクターイラストなどは不得手だったが抽象的な図案を描くことは楽しく、その絵が評価された嬉しさから自然とアートの世界に興味を持ち、shimshiroは専門学校で本格的にデザインについて学んだ。

現在彼女は、黄色と紫という補色の組み合わせることで、様々な感情や事象を視覚化を試みている。


迷子になりやすかった幼い娘を遠くからでも見つけられるようにと、両親はshimshiroに黄色の洋服をよく着せていたのだそう。

それから自然と黄色が好きになり、気が付けば「私の色!」と認識するようになったのだとか。

そんな親しみのある色は、作品の中ではポジティブな感情の象徴として捉えられている。


寒色であることから、紫をネガティブな感情の象徴としてはいるものの、こちらもshimshiroにとっては特別な色だ。

彼女が生まれた時、母は「紫」という字を名前に取り入れようと考えていたらしい。

結果的には別の字になったが、後にこのエピソードを聞いてから、紫色にも愛着を覚えるようになったのだった。


この二つの色彩を用い、また円形の柔らかい印象と三角形や四角などの尖りのある図形の対比も生かし、「Inside mind」と称する独自のアート表現を追求しているのである。




Q.これまでの創作活動の中で、あなたの一番の代表作と思われる作品を教えて下さい。

また、何故その作品をお選びになりましたか。


shimshiro:Inside mind-17-「Monday」です。

シリーズ作品をつくろうと思ったきっかけの作品だから。この作品は曜日シリーズの1枚目になります。


グラフィックアート
Inside mind-17-「Monday 」

作品をSNSに投稿するようになったのは、飽く迄も創作の記録を残すためなので、「絵の内容は、たとえ鑑賞者の方に理解されなくても構わないと思っています」とshimshiroは語る。


誰かに伝えるために描くのではない。

どうしても他者に訴えることの出来ないSOSや、どんな言葉に託せば良いのか判らないもやもやとした思い・・・それらを吐露できる唯一の場。それが“創作”なのである。


そんな訳で、問わず語りのつもりで投稿を継続してはいるのだが、発表をしていると鑑賞者から様々な声が寄せられ、「この絵には、こんな解釈が可能なのか」と気付かされることも多く、その発見が楽しくもあるそうだ。


連作制作の原点となった”曜日”シリーズの他、“痛み”や“転職”など様々な主題にこれまで取り組んで来たが、シリーズを構成する作品の最多点数は今のところ7点。

よりスケールの大きな連作・・・作品点数10点を超えるものにも挑戦したいと考えているそうで、彼女の「Insaide mind」は、これから増々の発展・進化していくことだろう。




Q.貴方の創作の方向性を決定づけた時期や出来事、また影響を受けたアーティストや作品などがあれば教えて下さい。


shimshiro:3年前、仕事でもプライベートでも悩んでいて、周りに相談できる人もいなかったため自分の中のもやもやをとにかく吐き出したかった時期でした。何気なく誰にもわからない自分しか理解できないようなルールでパソコンを使ってイラストを描き始めたのがきっかけで、デジタルアートを制作するようになりました。

グラフィックアート
Inside mind-23-「腰痛」

やり場のない思いのはけ口を求めて作品を描き始めた筈なのに、作品を仕上げてSNSへ投稿する一連の流れが習慣になってから程なくして、shimshiroは「この日課を熟さねば」という強迫観念に囚われてしまい、一時的に絵を描くことが苦痛になってしまったらしい。

そこで、しばらく創作を休止。

時間を置いたことで、再び創作を楽しめるようになったそう。


この経験から彼女は、決して気負い過ぎないように、望みを高く持ちすぎないように・・・リラックスした状態で創作に向かえるように気を配るようになった。

現在は心身のコンディションの良い休日に、部屋着姿で寛ぎながら大好きなコーヒーを味わいつつ、ゆったりと作業を進めるようにしているそうだ。


「ART INPUT2025」への参加に向けての意気込みを聞いてみると、「普段は端末の中でしか見ることのない作品たちが、印刷することで実体を持ち、現実空間に飾られるのはとても楽しみです。今後も、こうした展示の機会を徐々に増やしていきたいです」と話してくれた。


そんな彼女に、取材の最後に次のような質問を投げかけてみた。




Q.これまで創作において、人生において、苦しい状況に陥った際にどのようにして乗り越えてこられましたか。


shimshiro:不安を感じている時や苦しい時こそ行動するようにしています。自分の性格上、何もせずにいる方が余計に焦ってしまうため、まずは家事や散歩など小さなことでもよいので体を動かすようにしています。その後、頭がすっきりしてから問題を考えるようにしています。


(取材/執筆:大石)

 

shimshiroの作品を心ゆくまで堪能できる4日間

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