坂島十一 in ART INPUT 2024
会期：2024年11月21日（木）～11月24日（日）
会場：Gallery IYN
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坂島十一は幼い頃、よく空想の生き物などを絵に描くなどして過ごしていた。
成長と共に、鉛筆からシャーペン、色鉛筆、パステル、水彩絵具にアクリル絵具など、あらゆる描画材料を手あたり次第に挑戦し、その流れで大学時代にデジタル技法に辿り着く。
手軽に描き直しが行えるデジタル画は、躊躇なく思いきった挑戦が可能だ。
新しい描き方、塗り方、表現手法・・・探求心溢れる坂島は水を得た魚の如く、パソコン画面の中でのびのびと表現の冒険をするようになる。
そうして日々模索をしながら描き出すのは、エネルギッシュな少女の姿。
彼女等は例え逆境であっても生活を楽しむことを忘れずにいるような、元気でタフな心を持っている。
自身の性格故か、作品はつい暗いモチーフ、シチュエーションになりがちであるが、そんな中でも直向きに明るく振舞う少女たちの姿が「愛おしくてたまらない」と坂島は語る。
Q.これまでの創作活動の中で、あなたの一番の代表作と思われる作品を教えて下さい。
また、何故その作品をお選びになりましたか。
坂島十一：「雨上がり」です。2022年に制作したものですが、はじめて全力で描いた(描ききった)といえるものだったからですかね。
全力で、自分の納得いく塗り方から模索して描いたのでこれを今の代表作だと言いたいです。
大学では漫画を専攻し、イラストの授業で課題作品を教員や学友の前で披露する内に、坂島は「もっと他の場所でも発表してみたい」と考えるようになる。
そこで、それまでは落書程度のものしか掲載しなかったSNSに、きちんと完成させたイラスト作品を投稿するようになったのだった。
継続的に作品を発信していると、「この絵ではこんな点にこだわったんですね」「こうした挑戦も興味深いですね」と、坂島の変化や成長に気付き、声をかけてくれる人がある。
それがとても嬉しいそうだ。
見守ってくれる人のためにも一層腕を磨き、幅広い表現のイラストを描きたいと願っているが、チェレンジャー精神があるが故の悩みもある。
新たな試みであればこそ、「どう描き進めれば良いのだろうか」と迷いが生じてしまう為、とにかく遅筆であるらしい。
一作品を仕上げるまでに長い時間を要するので、現在 坂島は仕事の昼休憩に課題点の打開方法を考え、帰宅後はすぐにパソコンを起動させて創作に向かうそうだ。
ほんの僅かでも描き進めたい・・・「これは執念かもしれませんね」と坂島は笑って言う。
思うように描けない時はまるで苦行のようだが、うまくいった時には大きな達成感を味わうことが出来る。
そして何より、絵を描くという行為そのものが楽しくて仕方がない。
哀しい気持ちや辛い思いを抱えている時であっても、制作をしていれば、いつしか心の霧が晴れてしまうのだそう。
Q.貴方の創作の方向性を決定づけた時期や出来事、また影響を受けたアーティストや作品などがあれば教えて下さい。
坂島十一：全く自覚がないんです……。
色んな作品や周りの人から影響を受けたキメラのはずなのですが、これだ！というものが思い当たらないですね
作品を描く際はその時々の閃きからイメージが固まることも多いが、出展する展示のテーマから連想されるキーワードをリサーチして、その中から心に響いたものを詰め込んで画面を構成することもあるという。
そこで新しく出会う言葉や物事も多数あり、絵を描く度に坂島の世界は豊かに広がっていく。
以前は草花に然程関心を持っていなかったが、制作のために詳しく調べる内に興味深いと感じるようになり、今では花言葉から作品の着想を得ることもあるそうだ。
これからも、坂島は挑戦を続けて行く。
実はアニメ塗りで着彩した作品に憧れているのだが、自身ではうまく描くことが出来ずにおり、「どうにか克服したい」とのこと。
代表作として挙げた「雨上がり」は初めて背景描写のあるイラストに挑戦した作品で、同様の作品も今後増やしていきたいそうだ。
できればアニメ塗りを用いて、背景まで魅力たっぷりに描ききることができたなら・・・それが当面の目標だ。
また、自作イラストを画集にまとめることも検討中であるという。
迷いつつ、楽しみつつ歩む坂島に、次のような質問を投げかけてみた。
Q.これまで創作において、人生において、苦しい状況に陥った際にどのようにして乗り越えてこられましたか。
坂島十一：これはもう言ってしまいましょう。乗り越えてない！
悔しい話ですが、毎日もがきながら生きています。流れに身を任せながら結末を考えるタイプです。
（取材/執筆：大石）
坂島十一の作品を心ゆくまで堪能できる4日間
ART INPUTを、どうかお見逃しなく！
坂島十一のSNSも、是非ご覧ください。
X:＠JU_1_V
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