カトウ ミヅキ in ART INPUT 2025
会期:2025年2月6日(木)~2月9日(日)
会場:Gallery IYN
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幼い頃から絵や立体物の制作が好きだったカトウミヅキは、大学ではデザイン・造形を専攻。
同じ道を志す仲間たちに囲まれながら、彼女は自身の目指す芸術が特異であることを認識した。
多くの人が作品に求めるのは、“美しさ”。
けれど彼女は、寧ろグロテスクなものにこそ興味を持ち、「ウゲッ」「うわ〜…」「ちょっとキモいな」と思わせるような作品にこそ面白さを感じるそうで、舌や唇など人体の一部をピックアップした表現を好んできた。
醜い、汚い、不愉快・・・一般的にそう感じられていても、それは対象の一側面に過ぎないのではないか。
例えば蝶々の美しさは、幼虫期の姿があればこそ、その変貌ぶり故により魅力が増しているのかもしれない。
表面的な美しさだけを見つめていては、気付けないこともあるだろう。
カトウの生み出す作品を前に、一瞬ひるんでしまう人も多いかとは思う。
けれどじっくり見てほしい。
好みの作風でなかったとしても、つい目を奪われてしまう不思議な力があることは、認めない訳にはいかない筈だ。
Q.これまでの創作活動の中で、あなたの一番の代表作と思われる作品を教えて下さい。
また、何故その作品をお選びになりましたか。
カトウミヅキ:「くるみのおしゃべり」です。
普段粘土を使った作品の大きさは500円玉ぐらいなんです。このくるみは手のひらより少し大きめで私の中では一番大きい立体です。
大学を卒業をしてからはキノコなど菌類への関心が高まっており、カトウはその生態を人間社会に見立てることが出来ると考えている。
胞子を飛ばしたり、地中で菌糸を伸ばしたり・・・人が人との繋がりによって自分の世界を広げていく様子となんと似ていることだろう。
そうした発見が、彼女の創作意欲を駆り立てる。
気分転換に鑑賞する動植物のドキュメンタリーからアイディアを得ることも多く、まだあまり作品化は出来ていないが、深海魚の造形にも心惹かれているという。
制作にあたっては、いつも立体で表現することを真っ先に考えるが、イメージが固まるに連れ「これは絵にした方が良いな」と感じれば、速やかに方向転換する。
立体ならば考えなくても良い“空間”の処理が絵画表現時の課題だが、「ART INPUT2025」で展示する作品はいずれも図鑑のような印象に仕上げたいとのことで、パキッとした背景色で、くっきりとモチーフが浮かび上がるアクリル画作品を並べる予定だ。
Q.貴方の創作の方向性を決定づけた時期や出来事、また影響を受けたアーティストや作品などがあれば教えて下さい。
カトウミヅキ:ティム・バートンのストップモーションアニメをみてから人形や少し不気味なものが好きで、作品にもなんか不気味とか変なとかが含まれてますね。
大学を卒業してから、小学生時分から通っている絵画教室の先生がギャラリーを紹介してくれたので、カトウは初個展を開催。
それ以降も仕事と両立して発表活動を続け、次第に創作仲間も増えた。
仲間からの助言でデッサンに力を入れるようになったり、オイルパステル教室を薦めてもらったり・・・まだ模索途中ではあるが、彼等との交流があればこそ、表現の可能性は大きく広がっている。
カトウ曰く、表現する喜びがあるからこそ、たとえ仕事で辛いことがあっても踏ん張りがきく。
活動費用のためだからこそ、毎日頑張ることが出来るのだそう。
とはいえ、仕事で大きな悩みや不安を抱え込んでしまった時には、創作に集中することが出来ない。
雑念を取り払って作品と向き合うことを信条としているので、気持ちの切り替えが出来ない場合には、のんびり映画鑑賞をするなどして、決して無理をしないように心掛けているそうだ。
彼女に、次のような質問を投げかけてみた。
Q.これまで創作において、人生において、苦しい状況に陥った際にどのようにして乗り越えてこられましたか。
カトウミヅキ:まだ乗り越えてないんですが、絵を描く道具ってなかなか定まらないんです。道具で絵の感じも変わりますから。イメージやコンセプトも例えばその日観た映画とかに影響されてあれも!これも!やりたいってなって結局できなかった…ってなるんです。
これ地味に苦しいのです。
乗り越えて結局できなかった…がないようにしたいですね。
(取材/執筆:大石)
カトウミヅキの作品を心ゆくまで堪能できる4日間
ART INPUTを、どうかお見逃しなく!
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